2019年5月19日日曜日

戦闘機のRAW現像 軽くいじる編

戦闘機のRAW現像

やろうと思えば色々なことが出来てしまう、そんなRAW現像。
今回は軽くいじる程度のRAW現像(自分がよくやる方法)を紹介します。

被写体はもちろん戦闘機。アグレッサーの制空迷彩イーグルです。
(タンクだけ色付きですが)
ソフトはAdobe Lightroom(2019.05.14更新バージョン「テクスチャ」追加)で、Canonの1DXで撮影したRAWデータです。露出や構図は良さそうなので、表現処理を少しします。

 まず、ゴミとり。センサーゴミ(センサーダスト)はどうしても使っていると付きます。
カメラにはセンサークリーニング機能などがありますが、完全に清掃してはくれません。
そこで、スポット修正機能を使って目立つゴミをポチポチ消していきます。
(センサーゴミが見にくい時は、スポット修正をする時だけ「明瞭度」をMAX(+100)にして見てください。センサーゴミがよく目立つようになります。修正ポチポチが終わったら戻すのを忘れずに。)



テクスチャや明瞭度は触りすぎるとノイズの原因になりますし、やり過ぎれば不自然になります。
今回は、テクスチャ+25、明瞭度+10で補正し、背中のディテール感と質感をより明瞭にしています。

色々触っていって最後にノイズ除去を+20から30くらいにします。


今回は触っていませんが露出やシャドー部の補正、また今回補正した明瞭度などを触ると翼の日の丸の赤色が変化したり薄くなったりします。そんな時は赤色の彩度を補正して赤を出すか、写真全体の彩度を少し上げて補正します。
戦闘機写真で「色」というと空の色に注目しがちですが、日の丸の赤色がおかしいと不自然ですから、日の丸に順光で日が当たっている時は特に注意して色を見ます。



今回は「軽くいじる」ということで
・センサーゴミ消し
・テクスチャ&明瞭度補正
・日の丸赤色彩度補正
・ノイズ除去
をしました。

完成!!


このくらい触るだけでも変化はあるので、RAW現像に抵抗がない人、時間のある人は、せっかくの写真ですし、少しでも良く見えるように触ってみてはいかがでしょうか。

2019年5月18日土曜日

E-M1Xがカメラグランプリ2019を受賞

2019年5月17日(オリンパスニュースリリース)

カメラグランプリ2019において、OLYMPUSのOM-D E-M1Xが「あなたが選ぶベストカメラ賞」を受賞しました。

なぜカメラグランプリ全体の話ではなく、E-M1Xの話かっていうと、実際自分も借りて使ってみて感動し、凄いと思ったから。そして何よりこのカメラは、これまでの機種の性能向上とかそういう次元ではなく、次世代のAF方式を持ったカメラなので、それをこの機会にまとめておこうと思ったからです。

その前に、簡単に今回の賞について

カメラグランプリとは、カメラ記者クラブが運営し、4月から翌年3月までの1年間に発売されたカメラのうち、優れた機種を表彰するもので、今回のカメラグランプリ2019は、2018年4月から2019年3月に発売された機種が対象でした。

賞にはカメラから選ばれる「大賞」、レンズから選ばれる「レンズ賞」、一般人のweb投票で選ばれる「あなたが選ぶベストカメラ賞」、それらの受賞機種以外で話題性などから選ばれる「カメラ記者クラブ賞」の4つの賞があり、今回E-M1Xは「あなたが選ぶベストカメラ賞」を受賞しました。

それでは本題。このカメラの凄いところは、何と言ってもAFです。
AF範囲が広くなったとか、AF測距点数が増えたとかそうではなく、「ディープラーニング」の技術を活用した「動体認識AF」が凄い。

「鉄道」、「飛行機/ヘリ」、「モータースポーツ」の3種類のモードがあり、鉄道は車体自体を認識して追従、条件が良ければ車両ごとに前面窓ガラス部の形のAFで追従します。
飛行機は編隊飛行の場合は全機認識し、自分で合わせた機体を選んで追従させられます。モータースポーツはヘルメットに追従します。

これはツイッターにUPしてかなり反響があったファインダー内の動画です。


ディープラーニング技術や具体的な仕組みについては、カタログ等にはありませんが、フォトキナやCP+の会場で技術セミナーとして語られています。実際自分も聞いてきましたので簡単にまとめます。
ディープラーニングということで、事前に鉄道や飛行機の写真を何万枚も用意し、そこにピントを合わせるべき箇所をマークしていき、全て機械に読み込ませます。そのパターンを学習しているカメラが実際に撮影の際にどこにピントを合わせるべきか瞬時に判断して合わせてくれるわけです。
つまり、定番構図に近ければ近いほど精度や確率が上がり、奇抜な構図では合いにくいこともあるということになります。映像エンジンを2機搭載したのもこのAFの為でもあるそうです。

E-M1Xはマイクロフォーサーズ。望遠に有利なフォーマットです。動体は日中晴天で撮影することが多い為、高感度を気にしなければ機動力に優れるマイクロフォーサーズという選択肢もありでしょう。

E-M1Xは、開発の某偉い方が自身も鳥や飛行機を撮られるそうで、撮影者目線なんでしょうね。

AFもここまでくると凄いなと思いましたので、受賞を機にまとめてみました。


オリンパスのニュースリリースは以下のPDFです。
https://www.olympus.co.jp/news/2019/contents/nr01236/nr01236_00002.pdf



2019年5月16日木曜日

Lr新機能「テクスチャ」を試す#3

テクスチャ機能を試す。つぎは陸上自衛隊
陸自の装甲感はまさにテクスチャスライダーをプラスにすることで際立つでしょうと思ってやってみると、やはり。

 違いがわかりますか?
今回もあえてやりすぎくらいにして効果をわかりやすくしています。
装甲感でてるでてる。



山から撮るときの枝被りをLrで処理

Lightroomの段階フィルター機能を使って、手前の枝被りをごまかします。
写真撮ったけど、枝の隙間からで1枚目のように枝や葉が被っちゃった時、段階フィルターを使ってチョチョイと誤魔化すことで、2枚目のように目立たなくなるよう処理します。

ずるい?詐欺だ?加工だ?いやいや私はプロでも無いし撮って出し厨でも無いし、まして加工禁止のフォトコンにこれを出すわけでも無いので、ファントムがかっこよく見えればそれでいいでしょう。



やり方はかんたん。段階フィルターを右下からと左下から引っ張り、段階フィルター部のサイドを下げてやり、枝の芯を目立たなくするために明瞭度を下げ、露出を上げて調整してやればいいのです。




するとタダの無色前ボケ風に!!!!

枝や葉をその色のままの前ボケとしても良かったのですが、迷った挙句色無しにしました。

好みの問題なので一つの手段としてご紹介しました。


Lr新機能「テクスチャ」を試す#2

戦闘機で試したので、次はテクスチャ機能をモータースポーツ写真で試します。

レースが行われるサーキットの路面は、一般道のアスファルトとは異なり、アスファルトに骨材として混ぜられている石の粒が大きいため、黒い路面の中に白い石粒が目立ちます。よく流し撮りをするモータースポーツの撮影では流しの背景が路面になることも多いため、路面をいかに流して見せるかが写真の迫力にもなります。

意味がわからないと思うので、早速ですが明瞭度とテクスチャを補正して路面を目立たせた流し撮りの写真をご覧ください。
1枚目が無補正、2枚目が明瞭度とテクスチャを補正して路面を目立たせた写真です。

(写真は2019.04.20 SUZUKA2&4RASE JSB1000 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR ライダー:渡辺一馬)





補正することで、路面のアスファルトと白い石粒の質感が目立つようになり、背景の流れ具合がうるさくなりました。好みもありますが、このほうが「流し」の効果がはっきりしてマシンの疾走感が際立ちます。

このように、モータースポーツでも新機能のテクスチャは使えるなと実感しました。

Adobe様には足を向けて寝られません


Lr新機能「テクスチャ」を試す#1

2019年5月14日、Adobe Lightroomに新機能が実装されました。
外観の補正項目として「明瞭度」や「かすみの除去」が有名ですが、そこに追加されたのが今回新たに実装された「テクスチャ」のスライダーです。



テクスチャとは、表面の質感、材質感、凹凸感のことで、写真の編集においては、例えば人物写真の肌の質感や、私が撮影する戦闘機や車、バイクの金属質感を補正する項目になります。
「明瞭度」や「かすみ除去」も非常に便利で多用しますが、それらと並ぶ新たなスライダーということで大いに期待して使ってみたのでご覧ください。

わかりやすい戦闘機の作例として、F-15Jの写真です。
1枚目が無補正、2枚目がテクスチャ+50補正した写真





背中を見ればテクスチャ機能の補正効果は一目瞭然でしょう。今回は効果をわかりやすくするために、やりすぎくらいに補正していますが、うまく使えば素晴らしい機能だと実感しました。

戦闘機に使うと、まるでプラモデルに墨入れをしたかのような表面の質感になり、私としては好みの仕上がりになりました。

Lightroomさまさまです

また、この機能については引き続き使った感想を書いていきたいと思います。